新型フィット 試乗記

発売から半年が経ちましたが、ようやく試乗記に取り掛かりました(^-^;


モデルチェンジしてから、現在(3/29)まで4ヶ月連続で普通乗用車の販売首位を維持しており、進化したフィットはなお多くのユーザーに支持されているようです。
ライバルは先代のフィット。と開発者に言わしめた渾身のモデルチェンジ。


だがしかし、
先代が大ヒットした後の後継は大体コケる、ホンダのそんないや〜なジンクスを破ることができるのか。

そんな一抹の不安を拭い去れるか、試しに乗ってみました♪


今回借りた試乗車はRSのCVTモデル。
これに各種オプションを付けた豪華仕様。

自宅駐車場に入れてみました。
うちはいつも縦列駐車なので忙しくステアリング回しながら入れなくちゃいけないんだけど、取り回しは先代とほとんど同じ感覚ですね。
グラスエリアが広がっているせいか、まったくやりにくさはありません。

車庫入れしてても、動きの一つ一つが先代より節度感というか上質感があります。
かっちりメリハリが付いてるような、それでいて滑らかな。


フロントバンパーも色が色だけに分かりにくいけど、RS専用のエアロバンパー。
ちなみにこの色、意外にも家族には大好評でした。
リアからの眺め。
コンビテール、RSはLEDのままだったけど、それ以外は先祖還りしちゃいましたね。
カローラもモデルチェンジして先祖還りしてたけど、そいうもんなのかな。
マイナーでの進化シロ残してるんだろうな、そんな計算高くなくていいのに(w

テールデザインもRS専用。リアバンパーもRS専売のディフューザを伴っているようなデザイン。


ところで、ワイパーの下のリアガーニッシュ、なんで新型は全塗色ブラックなんだろ。
同色の方がいい気がするんだけどなぁ。
もいっちょリアから。
この試乗車はリアディスク付いてました。
リアディスクのクルマのサイドブレーキは引きシロのカチカチカチ・・・がドラムより気持ちいいね。

マフラーのフィニッシャーも標準装備。
音量はフィニッシャーだけに静か。
迫力はないけど、過度の派手さもなくて好印象です。
初めて新型に乗ったときから、ず〜っと感じてた座り心地の良さ。
先代をはるかに凌ぐ、この心地よさはアコードのものをベースにしているとか。
先代も、当時はアレでよく思えたんだけど、レカロ経験して今回は新型乗ったら・・・


腰の辺りのサポート感が、とっても私の骨格にフィットして大満足。
少し遠乗りのときなんか、大分疲労感が違うんじゃないかな。

先代に付けられるなら付けたい位。
ま、多分できないんだろうけど・・・
新型エンジン。
1.5Lで120psを発揮するi-vtec。
1.3Lでも100psだし、1.5はうちのと比べると力強さが違いすぎる(汗

それはそうと、エンジンルームは先代より更に狭くなりました?
エアクリがかなり小さくなってる。
バッテリーの搭載位置が前方に移動してる。
ラジエターキャップはバンパーを欠きとった所。
メーターは自発光。エンジン掛けなくてもキー差込で点灯したような。

タコ、速度、燃料とシフトの配置は先代と同じで、慣れてるだけに見にくさはなし。
ステアデザインももう慣れちゃったよ、最近の新車コレばっかりなんだもん。

本革仕様なので、これまた操作感もいい感じ。

エアコン吹出し口やインパネ周囲の造形が、どことなく欧州シビックを髣髴とさせ、素直にかっこいいと思います。


あと、もしかしてホーンの音が再びショボイのに変わった?
先代後期で欧州車みたいな音になったと思ったんだけど。。
おお、先代は流用が流行った間欠式ワイパーだ。
これって全グレード標準なのかな?
もしかしてRSとかオプション選択時、とかかな?
いろいろ付いてる試乗車だと単純に喜べないところです(^-^;

パドルもコキコキ扱いやすくて、エンブレに積極的に使いたくなります。
ちなみに先代まではMモードがあったけど、新型はシフトをSに入れたときだけマニュアル7speedが操作できるようになりました。
減速時のエンブレはシフトがDのときも使えます。
さっきの自発光式メーターのアップ。
文字盤の目盛りが透過式じゃなくて、導光してくるプリズム?みたいなモノになってます。

真ん中の部分は大型液晶。
瞬間燃費計とかなかなかいい装備ですね。
燃費計で12.7km/Lは、エンジン回して遊んでたせいです。
シフトDのまま走ってたら、15、6くらいは出そうな感じ。

外気温とかは出たかなぁ?見た気もするけど、ちょっと忘れちゃいました。
Aピラーの太さが不評だった先代。
新型は細くなった上に三角窓を大きくしてきました。
その甲斐あってほとんど死角は潰せたのかな。
ミラーの根元が三角窓に掛かっているせいで、手前がもこっとした出っ張りになってるんですね。
天井のグリップは折りたたみ式になりました。
この方がすっきりしてて、個人的には好みです。





パッケージングに関しては、この通り先代からの正常進化で、文句の付け所がない完成度の高いクルマでした。
いままでだってスペースユーティリティはクラス抜群だったのに、一層磨きがかかってましたね。
抜かりなく進化してくれてました。

走りの方もエンジンパワーについちゃ、もともと1.5L乗ってないからわからないんだけど踏んだ感じだとかなりイケてました。
普通に加速しても交通の流れをリードするくらいの余裕があって、先代乗りとしては力強さが羨ましいくらい。
これだけの改良をしつつ車重はほとんど増やさずに、パワーだけ向上したわけだし。想像通りでした。
フル加速するとかなり速いですね。
ただ、あんまり回して心地いい音を響かせてくれる感じじゃないので、静かに走ってる方が上質感あるかもしれない。



1.3L仕様も乗ってみたところ、これまた想像通り。
14psの差か、かなりパワフル。
i-vtecでここまで違うものか、としばし。
上の伸びこそ1.5Lに敵わないものの、街乗りだったらもう完全に不満ありません。



ボディの剛性感も素晴らしい。
箱が箱のままの形で、きっちり仕事してくれているかのよう。
相性のよい足回りは段差の入力を角を取ったように吸収して、それでいてサスが軟らかすぎず、これまた好ましい。
先代に見られたガツンという突き上げは姿を消し、しなやかさが前面に出た上質な乗り心地、というのでしょうか。
剛性感あるボディを軋ませるような不快な突き上げは一切なし。



適度な硬さの足回りと剛性の高い車体のお陰で、このクラスでは想像以上の高級感?ある乗り心地でした。



先代にみられたCVTのギクシャクする挙動も、ほぼ改善されていた模様。
停止寸前の再加速感は感じられなくなってました。
油圧式のクラッチから一般的なトルコンCVTに変わったとのことだが、その影響かアクセルレスポンスも向上してるように感じました。




一方、唯一気になったのはエンジンの回転音。
これに関しちゃ、先代の方が心地よく感じました。
ちょっと回すとザラツキと感じちゃう音が多いような。





総じて、かなりよく出来てたと思います。
これは完璧といってもいいかもしれない。

もし買うとしたら、グレードは1.3LのGにするかな。
このグレードだと先代とほとんど価格帯が同じだし、必要最低限の装備は付いててお得。

1.5Lの方が懐の深いドライブが出来るんだろうけど、結構高いんだよね。
思いのほか、懐さみしくなっちゃう。
車格が上がった、とまでは行かないけど、イロイロ気にしてオプション付けていくと、ストリームくらい軽く行っちゃうし。



十分な性能を有してるだけに、ここは量販グレードで行きたいところでした。





もっとも、今乗ってるフィットの方が愛着あるし、走って楽しいことは明らかなので、ここでまたフィットに新しく乗り換えようとは思いません。
案外、先代が好きな人が新型フィット買わないあたりに、先代の人気の高さを再認識したりします。



とはいえ、周りには乗換え組もいることだし、それと新しいユーザーの裾野をどれだけ今回のフィットが広げ、先代に迫るほどの人気が得られるか。
とっても良く出来たクルマだと思うので、堅調に販売を伸ばして、ゆくゆくは再び年間販売台数1位の座に返り咲いて欲しいと思いました。